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120周年を迎え新しい時代を切り拓きます
埼玉県立児玉白楊高等学校 校長 安部逸郎
本校は、明治三十二年創立の伝統ある農業と工業の専門高校です。そして、令和元年十月に創立百二十周年を迎えました。
歴史をひもとけば、明治十七年、当時の日本の中核産業である養蚕業の発展に寄与するために校祖である木村九蔵先生が、養蚕結社「競進社」を興し、その後、明治三十二年、競進社蚕業学校の開校が本校の源です。
以来、明治、大正、昭和、平成の時代を経て令和の時代へと受け継がれてまいりました。この間、本校は、競進社実業学校、児玉農学校、児玉農業高等学校、そして、昭和四十七年に県立移管し県立児玉農工高等学校が誕生しました。その後、平成七年に県立児玉白楊高等学校と校名が変わり現在に至っています。
開校から百二十年、歴史の歩みの中で、絶えず時代の要請に応える教育に取り組み、地域社会の発展に寄与し、数多くの卒業生が地域の担い手になるとともに、産業界において活躍しております。
さて、今、日本はもとより世界は絶えず変化を続けています。近年、中でも少子化、高齢化、そして生産年齢人口の減少が問題になっております。さらに、ロボットやAI(人工知能)などのテクノロジーが発展し、十年から二十年後には、今ある仕事のうち約半分は、機械がとって代わるとも言われています。
これから、未来を見つめ切り拓いていく子供たちには、このような状況下であっても、地域や社会と積極的に関わる行動力や、さまざまな課題に取り組み、解決しようとする姿勢、将来どのような道に進んだとしても自分自身の可能性を無限に広げていく力、すなわち人間力が必要であると考えます。
校訓は「なすことによって学ぶ」。つまり、実践を重んじ、そして、実践を繰り返すことにより、学ぶと言うことです。本校は、生物資源科、環境デザイン科、機械科、電子機械科の四つの専門学科を有し、特色のある実践的な教育活動に取り組んでおります。「なすことによって学ぶ」の校訓の基、地域や、産業界の発展に貢献する人材の育成はもとより、生徒の資質・能力、人間力を高めるために、今後とも、教職員一致団結し、取り組んで参ります。
さて、今年度、七月、本校ホームルーム棟、普通教室に、空調設備(エアコン)が設置されました。このほか、平成二十七年に、工業科実習棟が新築され、これに引き続き、農業科実習棟が、令和二年三月末を目途に新築されます。さらに、ホームルーム棟トイレの改修が決まり、今年度設計、令和二年度、三年度の二期に分けて工事が進められます。このように生徒の学習環境が格段に改善されて行きます。改めて、皆様に、心より感謝申し上げます。
これからも新たな学びを得ながら、学校が主体的に時代の変化に対応し、地域や産業界の発展に貢献する人材の育成に役割を果たして参る所存です。今後とも、御支援・御協力のほど、宜しくお願い申し上げます。